第一部 教会史

五、村本新日牧師の時代

尾陽教会の思い出−シンフォニア

村本新日

尾陽教会の皆さまが、長い問祈り、願い続けてこられた新会堂建設が実現致しました。 献堂式にはお招き戴き、妻や息子達もともに出席させて戴きました。唯々感謝でした。 その時の皆さま方お一人お一人の晴れやかなお顔が、今なお嬉しく思い起こされます。 あらためて心よりご祝辞を申し上げます。

思えば、会堂建設のために月に一度礼拝後に会堂建築祈祷会を守っていました。 会員が順に奨励をし、皆で祈りました。 また、特に長老会では建設を少しでも早く具体化するため、資金面のことや基本設計も考えました。

実は献堂式の時、初めて新会堂を見ましたが、私が心の中に思い描いていました会堂と余りにも同じなのに驚きました。 そして、この会堂がこそ、互いに祈り合い話し合ってきたことへの神様の賜物なのだと思いました。

私が御教会でご奉仕をさせて戴きましたのは三年あまりでした。 出身教会からの招聘があり御教会を辞することとなりました。 突然のことであり誠に申し訳ない思いでしたが、喜びを持って送り出して戴き、感謝でした。

いま私は四半世紀ぶりの故郷に居ります。同じ中部教区の高岡教会にあってすでに三年が経ちました。 おかげ様にてこの間には宣教百周年記念事業も行いました。 そして、御教会に赴任した日に一才の誕生日を迎えた次男が、私の母校でもある小学校の一年生になりました。 過ぎてゆく時間とは本当に不思議なものです。

御教会での三年問は私には思いでの多い、かけがえのない年月なのです。思い出すことはたくさんあります。 ある日曜日、礼拝が終わってから、壮年会、婦人会の方々と一緒に近くの温泉に出かけたことがありました。

また、ある時は壮年会のメンバーだけで鍋料理を作り、婦人の方々にごちそうしたことがありました。 たまには男も頑張ってみようという意気ごみからでした。もちろん後片づけもしました。とてもおいしかったと思いましたが……。 いかがだったでしょうか。

教会の集会といえば殆どが修養会や研修会ですが、ただ一緒いるということ、ただ和やかに食事をすることの大切さを思います。 尾陽教会は自然にこのような集まりがもてる教会です。本当にすばらしいことです。

また機関紙を発行したいと思い長老会に提案しましたら、やりましょうということになりました。 最初は「教会だより』という名で発行し、途中で『シンフォニア』と変えました。 教会員の皆様が毎回原稿を下さり、私がワープロで編集し発行しました。5号くらいまで出せたでしょうか。

どうか、尾陽教会の皆様が山本先生御夫妻から受け継がれた、教会を愛する心を持ち続けられ、 ますます豊かな教会を形成されますことを心より祈り願っております。


村本新日牧師の思い出

加藤 操子

村本新日牧師は尾陽教会に主任担任教師として、一九八七年八月より一九九〇年七月迄の三年の問教会を牧して下さいました。 最も印象深いことは、当時牧師館は駒場町の家におかれてありましたが、村本牧師は現教会(松園町)の敷地内に牧師館をとの要望があり 急遽会堂の南側空地に建築することになりました。 着任される迄一ケ月もない時の急なことで、震える様な思いで長老方は業者と折衝し、八月十七日契約され十九日より工事着工、 二十九日完成しました。当日村本牧師御一家が津より来名され入居となりましたが、ほんとうに嘘のような真の話であります。

着任されてから早々に教会備品としてワープロとコピー機の設置がすゝめられ、以来独自にワープロを使いこなされて週報、 機関誌等の発行にと意欲的に作業をこなされておられました。 礼拝における献金については、礼拝席上献金と印刷した厚い紙袋を作り献金を入れて献げるよう指導され、 私達には初めての試みで礼拝を大切に守る心を新たに教えられました。 その後聖書も、従来の口語訳の聖書から新共同訳聖書を礼拝に用いるよう取り決められ、他教会に先がけて即実行に移されました。 そのテンポの速さには慌てること屡々でありました。 又「教会だより」を発行することを提案され、教会員の交わりを深めることが教会形成のために良いのでは…と長老会に図られ、 賛同を得て早速原稿の提出をよびかけられました。 そして一九八八年十二月十八日「教会だより」創刊号が先生の編集印刷によって発行されました。 私達は「教会だより」を通してお互いに知り得なかった一面をみることが出来一層理解を深められましたが、 第四号で新たに表題が「シンフォニア」と改名されたのが最終になったのは残念でした。

一九九〇年六月突然村本新日牧師は日本基督教団高岡教会からの招聘を受けられ辞任されることになりました。 短い間でしたが「教会だより」「礼拝席上献金袋」等を通して神を拝することの人切さ、 奉仕する者の心備え等を教えられたことを心から感謝する者であります。

終りに、祈祷会で教えられたヘブライ語の讃美歌「ヒネ マー トーヴ」の歌詞をそえたいと思います。
見よ 兄弟が和合して共におるのは
いかに麗しく楽しいことであろう
             詩篇一三三篇

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